介護の資格って介護タクシーの仕事でも生かせるの?
監修・著者 株式会社しごとウェブ佐藤哲津斗
病人や要介護者を乗せる介護タクシーの需要が増えています。タクシードライバーとしての免許が必要なのはもちろんですが、介護士の資格は生かせるのでしょうか。介護タクシーについて必要な条件などをまとめました。
介護タクシーとは
介護タクシーと言っても2通りあります。1つは介護保険が利用できるタクシーです。そしてもう1つは車椅子に乗った状態や寝台に寝た状態で移動可能なものです。前者は介護保険を利用するだけなので通常乗車する一般的なタクシーでも業務が可能ですが、後者は特殊な車両が必要になります。要介護者や高齢者の通院や移動などを目的に利用されることが増えたため介護タクシーという言葉を耳にすることも増えてきましたが、一般的には後者の車椅子や寝台で移動できるタクシーを指します。
運転士に必要な資格は
介護を必要とする人を乗車させるのが目的なので、介護タクシーの運転士になるには2種免許はもちろん、それ以外に3年以上の実務経験のあるヘルパー2級またはヘルパー1級以上の資格を持っている人であることが求められます。しかし現在はヘルパー1級と2級は廃止されており、2013年から2級は「介護職員初任者研修」に、1級は「介護職員実務者研修」に変わっています。これから資格を取得する場合はこの2つの資格のうちどちらかを取得しましょう。またこれらの資格以外にも、介護福祉士または看護師か準看護師の有資格者も対象になります。
介護タクシーの運転士の役割とは
介護タクシーは一般の人ではなく要介護者の乗車を目的としています。利用できるのは、要介護1以上である、介護認定を受けている、公共機関に1人で乗車できない人などです。そのため、通院や買い物など日常的な外出で使用されることも多くなります。また、救急車を利用する必要性はないものの、体調が思わしくなく寝たままの状態で病院に向かうのが好ましい人もいます。必ずしも家族の付き添いがあるとは限らないので、乗り降りのサポートや体調の変化への対応も必要になります。
運転士はこんな人に向いている
介護の必要な障害者や高齢者を乗せる介護タクシーは、2種免許だけでなくヘルパー2級・1級、または介護職員初任者研修や介護職員実務者研修、介護福祉士、看護師といった資格を持っている人が就くことのできる職業です。利用者の移動手段というだけでなく、乗車や降車の際の補助や体調にも気を配る必要性も出てくるため、資格を有している以外に細かい気配りや万が一の事態にも冷静に対処できる人が向いていると言えます。このように介護タクシーの運転士は、介護の実務経験が十分生かせる職業ではないでしょうか。